その一方で、冒頭の横山さんの年収は約600万円。圧倒的に稼いでいるわけではなく、投資もせず金融資産が決して多くない中で、マンションの頭金3000万円が親からポンと「降ってきた」(横山さん)。同じような収入を得ている会社の同僚と比べれば、恵まれた環境の中で“異次元”の生活を送っているようだ。

 では、親リッチを巡る“カネ”の使い道には、どのような特徴があるのだろうか。

親リッチイラスト
Illustration by Yuuki Nara

出身幼稚園で値踏みされる!?
親リッチが受ける多額の教育投資

 親リッチの共通点の一つが、教育面で親から多額の投資をしてもらっていることだ。横山さんは、幼稚園から高校まで一貫して年間150万円以上の授業料がかかるインターナショナルスクールに通い続け、「校内の公用語が英語」(横山さん)という環境で語学力を鍛え上げられたという。

 横山さんに象徴されるように、親リッチか否かを見分ける「王道」は、私立の小学校に通っていたかどうかを尋ねることだ。私立小に入る前の4歳ごろから、いわゆる「お受験」のために年間50万~100万円の費用を進学塾に払い、入学してからも年100万円前後の学費が6年間必要になるからだ。

 私立小の中でも、別格として多くの親リッチが口をそろえるのが「慶應義塾幼稚舎出身かどうか」。慶應義塾が運営する東京都渋谷区の小学校で、「上場企業の社長の子女や皇族に近い人、自宅に広大な庭園があるような人がゴロゴロいる」(幼稚舎に子供を通わせている親)という。

 また、30代の親リッチの女性は「出身幼稚園を聞けばだいたい分かる」と話す。「若葉会と枝光会系列、あとすでに閉園したが松濤の三つの幼稚園出身者は親リッチだ」(同)といい、出身幼稚園が富裕層の間における“値踏み”の基準になっている。

 学校以外でいえば、「習い事をたくさんやった」(30代、親リッチ男性)という声も多い。前出の横山さんもインターナショナルスクールのほかに、学習塾や英会話教室、ピアノ教室、スイミングスクールに通っていた。「小学校受験が大変で、毎日塾に通ったほか、お絵描き、水泳、体操など数多くの習い事に通わされた」(30代、親リッチ女性)というつらい体験を覚えている人もいる。