全ての「星」が原油価格の回復に向けて並んでいる。例外は「引力」が最も大きい中国だ。市場の供給はイラン絡みの緊迫では減らなかったが、リビアの戦闘では減っている。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は、最近合意した減産を2020年末まで延長するとみられる。さらに、同じくらい重要なのは、19年後半を通じて米国での掘削活動が急減したため、シェール油田での生産が減速しそうなことだ。しかし、中国での新型コロナウイルスによる感染拡大は原油価格を押し上げるこれらの要素全てを圧倒してきた。ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は、3週間前の1バレル=63ドル超から27日には53ドル未満に下落した。