日本は、20年かけても資産が全然増えていない!

安東隆司(あんどう・りゅうじ)
RIA JAPAN おカネ学株式会社 代表取締役 CFP、日経CNBCなどTVコメンテーター、海外ETF専門家、立教セカンドステージ大学講師 三菱UFJ銀行で17年、三菱UFJメリルリンチPB証券(出向)、ソシエテ・ジェネラル信託銀行勤務という、メガバンク、外資系証券・信託銀行で約26年の勤務を経験。その後半はプライベートバンカーを務め金融商品の運用について熟知。販売手数料(コミッション)を目的にしない、世界的潮流である「預かり資産管理」(フィーベース)のビジネス(RIA)を行う、独立系・投資助言業(内閣総理大臣登録)を2015年立ち上げる。著書に『個人型確定拠出年金iDeCoプロの運用教えてあげる!』(秀和システム)など。WEBサイトhttps://ria-japan.co.jp/

 では、日本の場合を見てみましょう。

 70歳以上の人が持つ金融資産の額です。

 1994年:2060万円
 2014年:2059万円

 いかがでしょうか?

 「あれッ? ぜんぜん増えていないじゃん。むしろ減っている。一体、どうなっているの?」

 そうなのです。日本人の金融資産は全然増えていないのです。

 日本の場合は、18年よりも長い20年間での比較ですが、全ての世代において金融資産の額が増えていないのです。

 この話を資産運用の講義ですると、次のコメントが受講生から寄せられました。

 「アメリカの75歳以上の保有資産が1998年2000万円弱→2016年に5870万円にはびっくりです。アメリカ人に生まれればよかったかもです!」

 読者の皆さんも、そう思った人が多いでしょう。でも大丈夫です。

 日本にいながらにして、アメリカ人が行っているのと同じ投資ができる方法を、お教えいたします。

 その前にこのデータを取りまとめた金融庁は、この日米比較の実態をどう解説しているのか見てみましょう。

 「米国は退職口座、投資信託を中心として、退職後も含め現役時代から資産形成を継続し、退職世代等の金融資産は過去20年で約3倍に増加」というものです。

 アメリカでのポイントを整理しますと、次のようになります。
 ・資産が過去20年で約3倍に増加している(実際は18年)
 ・投資信託を中心に、長期間にわたり資産づくりに取り組んでいる
 ・非課税の口座を利用している

 ということです。

 3倍に増加するかどうかはともかく、後の2つのポイントは、私たち日本人にもできるものですね。
 ・10年単位で長期投資する(低コストの金融商品を利用する)
 ・非課税口座をフル活用する(NISA(ニーサ)、つみたてNISA、確定拠出年金制度、特に個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)という非課税制度を使う

 ただし、これらの口座なら、何を選んでも良いかというと、それは違います。

 たとえ非課税口座でも、銀行などの金融機関は「できるだけ、自分たちが儲かる商品を買って欲しい(売りたい)」と手ぐすねを引いています。それに引っかからないようにする必要があります。

 *金融庁「高齢社会における金融サービスのあり方」(中間的なとりまとめ)2018年7月3日 原文では退職口座(IRA、401k等)という表記。IRAとは:Individual Retirement Accountで個人用の退職口座で税制の優遇がある。401kは米国の内国歳入法401条(k)項に規定する要件を満たす制度。運用益が非課税、拠出の所得税が給付時まで繰り延べなど、税制のメリットが大きい。日本の確定拠出年金(DC)制度が401kを参考にして作られ、同じような特徴を持っている。