ウィルバー・ロス米商務長官は30日、中国での新型コロナウイルスの流行によって企業が同国の生産拠点を米国内に回帰させ、職が取り戻される可能性があるとの認識を示した。この発言に対し、苦境にある中国へのあまりに無神経な発言だとの批判が上がっている。ロス氏は同日午前のFOXビジネスの番組で、新型ウイルスについて「企業がサプライチェーン(供給網)を見直す際に考慮するもう一つの要因になる」とし、「北米、一部は米国への職の回帰に寄与すると思う。恐らくメキシコも同様だろう」と語った。新型ウイルスの感染者は中国を中心に全世界でほぼ7800人に達し、170人が死亡している。コーネル大学の中国専門家エスワー・プラサド氏は、ウイルスの流行は「グローバルなサプライチェーンのぜい弱性」を浮き彫りにしたと指摘、「中国だけに依存すると、メーカーの弱みになる」とした一方で「ロス氏の言い方は厳しい状況にある中国への卑劣な攻撃と受け止められる」と述べた。
新型ウイルス、米国への生産回帰に寄与=ロス商務長官
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