世界各地の公共衛生専門家が、中国で発生した新型コロナウイルスの感染者数を正確に把握し、その感染力を見極めようと懸命に取り組んでいる。ここ数日発表された研究によると、新型ウイルスの感染力は季節性インフルエンザより強く、2002年と03年流行した同様の病原体が原因の重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じだが、致死率はSARSをはるかに下回るとみられる。米疾病対策センター(CDC)は、新型ウイルスが人から人へどれだけ感染しやすく、それがどの程度続くのかについては不明だとしているが、発症していない感染者に2メートル弱近づけば感染する可能性があると指摘する。移動パターンと各国で確認された感染者に基づく数学的確率モデルを用いた、米ノースイースタン大学の研究者らの研究によると、最初に新型ウイルスが発生した中国湖北省武漢市の感染者数の中央値は1月29日時点で3万1200人だったと推定される。同日の公式発表は2261人だった。