現時点ではサプライヤー(部品などの供給企業)のうち、600社弱が中国に拠点を持っていると見られ、工場など拠点総数は1000カ所を上回る。今回の新型肺炎を受け中国では、旧正月休暇を延長する措置が全国的に広がっており、広東省や江蘇省、上海市といった電子関連のメーカーが集積する地域もおおむね9日まで休暇期間だ。また休暇明け以降も、工場労働者が集まらない、都市間の物流が滞るなどの理由で、通常通りの操業レベルにはなかなか戻れないおそれがある。

 このためソニーは中国に拠点を持つサプライヤーを対象に、「操業に影響が出ているか」「影響の要因」「操業再開の見込み」などを1社ずつ聞き取り調査している。過去にも東日本大震災などでBCPを発動させたが、調査対象となるサプライヤーの数では、今回が最大規模となる模様。

 ソニーはサプライヤーの企業名を開示していないが、編集部の調べでは、村田製作所や京セラ、TDK、アルプス電気、SMKなどが対象となる見通し。また中国現地の地場企業も相当数が対象となる。

 ハイテク製品のサプライチェーン面で中国に大きく依存する状況は、ソニー以外の電機メーカーも同じ。ほかの企業でも同様に、BCPを発動する動きが広まりそうだ。また、BCPを持つか否かで今後、部品確保ができるかにも差がつく可能性がある。

 なおソニーは本日4日午後3時、2019年度第3四半期の業績を発表する。