――筆者のマイケル・オースリン氏は米スタンフォード大学フーバー研究所のリサーチフェロー ***  1911年10月、中国の武漢で政治的ウイルス感染が起きた。同国の鉄道を外国が支配していることに抗議する革命勢力が軍の駐屯地を急襲し、清(しん)国軍を容易に撃破、清王朝の弱体化を印象付けた。「武昌蜂起」として知られるこの政治的ウイルスは、急速に拡散した。3カ月後、この中国の革命は満州の支配者を倒し、中華民国誕生の前触れとなった。今日の武漢は新型コロナウイルス流行の中心地となっており、このウイルスが中華人民共和国に及ぼす影響は、まさに革命勢力と同様かもしれない。