UberPhoto:Reuters

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズの経営陣には、評価してもいい面がある。彼らは市場のメッセージを理解している。

 かつてシリコンバレーの派手さがもてはやされたウーバー。しかし、昨年5月の上場以降は手ひどくあしらわれてきた。シェアオフィス大手ウィーワークの親会社ウィーカンパニーが9月に新規株式公開(IPO)を断念してからというもの、状況はさらに悪化した。この騒動が示していたのは、一般投資家にとって、桁違いの評価額を狙い、資金を食いつぶすスタートアップはもう十分あるということだ。ウーバーが昨年11月に発表した7-9月期(第3四半期)決算は、同社株が底入れするタイミングと重なった。当時のウーバー株はIPO価格を31%下回っていた。

 地合いは改善してきた。その決算以降、ウーバー株は32%上昇した。調整後ベースで2021年中の黒字化を達成するとの約束が強気材料となったことが大きい。

 ウーバーは6日、目標をさらに引き上げた。ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は10-12月期(第4四半期)の決算発表と合わせて、20年中に黒字化を達成するとの新たな目標を発表した。