頭のいい人ほど、「没頭力」を無意識に発揮している

 京大の同級生たちや東大生、ほかの頭のいい人たちを見ていて気づいたのは、多くの人が、「没頭する力」、すなわち、「没頭力」を無意識に発揮しているということでした。

 勉強に対してだけでなく、趣味や、他人にはちょっと理解できないようなこだわりの分野も含めて、何かにのめり込むということを日常的にやっていて、それが成果につながっているのです。

 多くの勉強本が教えるのは、「効率のいいやり方」です。

 もちろん、それも重要ですが、どんなに効率のいいやり方を学んだとしても、続けられなかったら成果を上げることはできません。

 勉強を続けるためには、何よりもまず、その世界にのめり込むこと。つまらないものと思い込んでいる勉強を、楽しいものに変える工夫をすることです。

 没頭するとどんどん楽しくなり、楽しければさらに没頭するようになります。

「没頭」と「楽しい」が両輪となって、ずっと続けていけるのです。

成功率95%の勉強法で、成績が上がる!

 私はマンツーマン指導で、受講生の学力を把握して必要な教材を提示し、やり方をアドバイスし、定期的にミーティングを行っています。

 小学4年生から50代の社会人までの受講生が「試験合格」という目標に向かっているので、目標達成のための効率のいい方法も教えていますが、それよりもまず、心がけているのは「没頭」へと受講生たちを導くことです。

 勉強を教えるというよりも、勉強が楽しくてひたすら没頭してしまうような状況をつくってあげることで、受講生たちは劇的に変わっていきました。

・1ヵ月でTOEIC550点から750点に
・1年で偏差値が35から70にアップし志望校に一発合格
・3ヵ月で定期テスト200位から2位に浮上

 これらはほんの一部の例に過ぎません。これまで教えた受講生の95%が成績アップを実現しました。

 この成功率が物語っているように、没頭することは誰にでもできます。

 誰もが持っているこの「没頭」のスイッチの入れ方は、本書のなかで余すところなく伝えています。

 一度「没頭」を手に入れたら、もう「向かうところ敵なし」と言っても過言ではありません。

 のめり込むと楽しいので、自ら進んで勉強するようになります。どんどん新しい知識を吸収したくなります。

 意識が変わり、見る目が変わるので、ほしい情報が勝手に飛び込んでくるようになります。

 好きな勉強に時間をかけたいから、時間の使い方を工夫するようになります。

 効率的なやり方をわざわざ学ばなくても、自然と効率的に勉強するようになるのです。

 結果として、成績が上がるのは当然と言えるでしょう。

 勉強がどんどん楽しくなり、続いてしまう!

 本書では、私がマンツーマンで受講生に教える方法を、独学でもできるようなノウハウに体系化しました。

 第1章では、没頭するための「マインド」について書いています。没頭するための心構えを知っていただくファーストステップです。

 第2章では、没頭力だけではなく、論理力、記憶力もアップする具体的な方法を紹介しています。勉強にはこの3つの力が必要不可欠ですが、ここではとても簡単で誰にでもすぐできる方法ばかりをチョイスしました。すぐに身につけたい方は、第2章から読んでいただいてもかまいません。

 第3章では、没頭するための仕組みづくりについてお話ししています。これをマスターすることで、勉強に対する苦手意識が消え、没頭できる状況をつくっていくことができます。

 第4章では、勉強を楽しく続けるとっておきのコツをお伝えしています。突飛な発想と思われるようなものもあるかもしれませんが、勉強が楽しくなるのであればどんな方法でもかまわないというのが私の持論です。

 そもそも、勉強は身構えてやるものではありません。

 みなさんにも、もっと気楽に、ルールにしばられず、自由な発想で勉強と向き合ってほしい―本書には、そんなメッセージも込めています。

 本書での私の役割は、みなさんが「すべり台」の階段を上るまでのサポートです。

 あとはみなさんが、すべり台のてっぺんに座って、すべり出すだけです。

 その先には、達成したいゴールが待ち受けています。

 私がみなさんの夢をかなえます。