その1つが、ビュッフェ(バイキング)方式の食事だ。見も知らない人たちが、ホテルのレストランや旅館の宴会場で食事を共にする。クルーズ船内でも、朝食はビュッフェ方式だったようだが、日本の観光地でも朝食の多くはビュッフェ方式だ。夕食もビュッフェ方式のホテルや旅館がある。

 ビュッフェ方式で注意しなければならないのは、感染者がその場にいなくても、料理や食器類による媒介物感染(間接的な飛沫感染)が起きるということだ。いわば時間差感染といってもいいだろう。

 ビュッフェ方式の場合、まず各自が料理を載せる皿やナイフ、フォーク、箸などをトレイに載せるところから始まる。このとき、感染者がトレイに皿やフォーク等を取って載せる際、せき込んだり、くしゃみをしたり、仲間とおしゃべりをしていたりすると、自分の食器類だけでなく、次に訪れた見知らぬ人が使う皿等の食器類を汚染(飛沫感染)する可能性がある。

 皿やナイフ、フォーク、箸等は、縦や横に重なって置いてあるので、感染者が他人の食器類に直接触れる可能性もある。次の人は、何も知らずにウイルスに汚染された食器類を使用することになる。感染者と同じテーブルで食事をしなくても、感染者が立ち去った後でも、汚染された食器類を使って食事をすれば、付着したウイルスを口に入れることも十分考えられる。

 さらに、大皿に盛り付けられた料理を、トング等を使って取り分ける際にも同じようなことが起きる。感染者が、料理をトング等で取り分けるときに、せき込んだり、くしゃみをしたり、おしゃべりをしていれば、料理そのものにウイルスを含む飛沫が付着する可能性がある。飛沫汚染された料理を、何も知らない次の人が取り分ければ、ウイルスが付着した料理を食べることになる。

 マスクをしていても、どうしても外さなければならないのが食事である。どんなに手洗いをしようとも、料理を洗うことはできない。

 クルーズ船の震源地がビュッフェだったかどうかはともかく、今後、国内にあるビュッフェ方式のホテルやレストランなどを介して新型コロナウイルスが拡大していく可能性は否定できない。