米国債が前例のない価格に上昇(金利は低下)した。そのため、米国の投資家が今、リスクを回避しながら最高の利回りを得られるのは、最も意外な場所になった。すなわち日本だ。新型コロナウイルスをめぐる懸念や原油価格急落を受け、市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利下げを行うと見込んでいる。その結果、米国債の利回りは過去最低の水準に急低下。10日にやや反発したものの、10年債利回りは0.7%付近にある。一見すると、どこにも逃げ場がないように思えるかもしれない。あらゆる市場で利回りが急低下し、JPモルガンのデータによると、世界の投資適格債市場のうちマイナス金利の債券が25%を占めている。1月中旬には19%だった。ユーロ圏の安全とされる債券の指標であるドイツ10年国債の利回りはマイナス0.7%に近づきつつある。一方、数十年来、利回りほぼゼロの状態が定着している日本の国債は、現在マイナス0.05%付近だ。