米国では銀行や信用組合からの大量の現金引き出しで、一部支店の現金が不足する事態が発生している。これを受け、多額の引き出しは資金を危険にさらすとして、規制当局が預金者への警告に乗り出した。正確なデータは存在しないが、業界幹部によると、全米でかなりの預金取り付けが発生しており、とりわけシアトルやニューヨークなど裕福な都市で顕著となっている。新型コロナウイルス感染拡大への懸念から金融市場が急落していることが要因となっており、引き出し額は10万ドル(約1100万円)以上に達することもあるようだ。業界幹部の話によると、ある高齢の夫婦が今週に入り、25万ドルを一度に引き出した例もあった。こうした状況を受け、銀行や規制当局は、巨額のたんす預金は火災や洪水などの災害で消失する、または盗まれる恐れがあるため間違いだとして、預金者に警鐘を鳴らしている。一方、連邦当局の保証対象である銀行や一部の信用組合の預金口座は、政府によって最大25万ドルまで保証されている。