新型コロナで世界経済の景色が一変する中、投資家に求められる戦略とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

V字回復は困難
世界中で消える金利

 新型コロナの影響拡大を受け、世界経済の景色は一変してしまった。世界中で感染が拡大し、外出制限や都市・国境閉鎖の動きが拡がり、小売、飲食、観光、運輸、娯楽などのサービス関連の業種が大打撃を受けている。企業と消費者のマインドが悪化し、製造業の生産や設備投資も鈍化が見込まれ、経済への深刻な打撃が懸念される。

 当初は影響が早期に終息し、世界経済は「V字回復」に向かうとの見方もあった。しかし現時点では、ベストケースでも「U字(緩やかで相応の時間を要する)回復」で、失業や倒産で経済基盤が損なわれた場合や、移動制限の影響が残り続けた場合には、回復がさらに緩やかな「(ひらがなの)しの字回復」となるリスクがある。米国に比べ経済対策の規模、スピード、内容が格段に見劣りする日本の経済は、「Ⅼ字回復」、つまり低迷が長期にわたるリスクを抱える。

 金融市場の動揺を受け、米国の連邦準備理事会(FRB)は3月15日に緊急利下げを行い、政策金利を0~0.25%まで引き下げた。その後、米国の長期金利は過去最低となる0.5%台まで低下した(図1参照)。日本やドイツの長期金利はすでにマイナス圏に沈んでおり、主要先進国で金利が消えつつある。ブラジルやインドなど高金利国も政策金利を次々に引き下げており、世界中でかつてないレベルの低金利が進行している。

 今年11月に大統領選を控えるトランプ米大統領は、早い段階でのFRBの利上げ転換を認めないだろう。当面追加利下げはあっても、利上げはほぼないとみる。世界経済の回復は緩慢となりそうなため、大統領選後もしばらくは利上げに転じられない可能性がある。我々は今後、金利の消えた世界が長期間続くことを前提に、経済・投資活動を行っていく必要に迫られている。