(1)時々の株価はそのときの情報と予想を織り込んで形成されること
(2)株価が形成される際には、リスクに対する対価となる期待リターン(「リスクプレミアム」と呼ぶ)が株価に織り込まれること
(3)市場に「恐怖」が広がっている現在「リスクプレミアム」は通常よりも大きいと推察できること

 などを考えると、理屈っぽくて心配性の人も「合理的には、投資を継続する方がいい」と納得してもらえるのではないだろうか。

(2)iDeCoの投資家
なるべく大きな額で継続を

 iDeCoは、掛け金が所得控除されるので、課税される所得がある方は大変有利に老後のための貯蓄・投資を行うことができる制度だ。所得のあるサラリーマンもフリーランスも、将来に必要な備えの額を考えると、iDeCoは利用できる最大の額を使うことが合理的で得な行動になりやすい。

 iDeCoの加入者は、第一に節税で得られる確実なメリットは引き続き十分利用する方がいい。そして第二に、「現在の株価には、現在利用可能な情報と予測が反映しているのだから、今投資することが特に不利なわけではない」と理解して、掛け金の額を減らさずに継続して、投資対象は内外の株式のインデックスファンド(手数料が0.3%未満のもの)としておくことがいいだろう。

 iDeCoはNISAと異なり、投資対象のスイッチングができるので、一時的にリスクを抑えたい向きは、定期預金などに資金を退避させることができる。また、資金を定期預金に入れるとしても、掛け金の所得控除のメリットは得ることができる。従って、どうしてもリスクが気になる人は、リスクの小さな運用対象を選んでiDeCoを利用する方法はあり、多くの場合、iDeCoを利用しないよりはベターだろう。

 ただし、他の年金制度から資産を移管したり、長く個人型確定拠出年金を続けてきたりして積立金の額が非常に大きくなっている方を除くと、iDeCoの運用対象は、内外のインデックスファンドがいいケースが多いだろうと筆者は考えている。

 一般的な原則として、自分の手持ちの運用資産全体の中で期待リターンが高い部分を、NISAやiDeCoのような運用益に関する税制上のメリットが大きな制度の口座に割り当てることが合理的だ。リスク資産投資を減額する場合は、iDeCoや各種NISAの投資を後回しにする方がいい。

 なお、iDeCoの資産額が大きくなっていてリスクの大きさが気になる方は、次に述べる一般投資家と同様の考え方で、リスク資産への投資額について評価するといい。