海外旅行ガイドブックの決定版『地球の歩き方』から、ヨーロッパのおすすめスイーツ情報をお届けします。旅で出合える、各国の伝統スイーツ。普段なにげなく食べているおなじみのスイーツにも、実はそれぞれの国や地域の歴史と風土が見え隠れしています。その誕生から歴史、味わえるとっておきのお店まで一挙に紹介します!(文/グルーポ・ピコ 写真/iStock、数藤健、グルーポ・ピコ)
“チョコレートケーキの王様” ザッハートルテ(オーストリア)
●Sacher Torte
口の中に広がる濃厚なチョコレートと甘酸っぱいあんずジャムの味わいがクセになるザッハートルテは、オーストリアの首都ウィーン生まれ。19世紀中頃に若き料理人フランツ・ザッハーが考案し、息子が興したホテル・ザッハーの名物として広く知れ渡ったとされています。
ザッハートルテのレシピは門外不出のものとされていましたが、フランツ・ザッハーと王宮御用達の菓子店、デメルの娘の婚姻の際に流出してしまい、その後、商標をめぐる争いが繰り広げられました。結果、”オリジナル“の冠はホテル・ザッハーのみ、デメルのものは「デメルのザッハ―トルテ」と名乗ることで決着しました。
■ザッハートルテの有名店
カフェ・ザッハ―/Cafe Sacher
フランツ・ザッハーの息子が開業したホテル内のカフェ。店内は赤と金のザッハ―カラーで統一。創業当時のレシピで作るザッハ―トルテは無糖のホイップクリームを添えて提供されます。
・住所:Philharmonikerstrase 4, Wien
・URL:https://www.sacher.com/en/