新型コロナウイルス感染患者を人工呼吸器で助けられない場合、医師が頼りにしているのが、血液に酸素を注入する「体外式膜型人工肺(ECMO=エクモ)」だ。肺の機能を置き換えるこの人工心肺装置は高額で人手がかかるため、現在のような肺炎患者であふれかえった病院での利用には向いていない。しかし、コロナ・パンデミック(世界的大流行)は一部のケースでエクモの価値を際立たせている。「人工呼吸器で治療できない患者については、エクモを検討する以外に選択肢はない」。クリーブランド・クリニックでエクモ治療の責任者を務めるスディール・クリシュナン氏はこう話す。「それが若く先行きの長い40歳の患者で、従来の治療法が役に立たず、死なせるわけにはいかないのであれば、この治療法を検討しない手はない」
コロナ治療 最後のとりで「ECMO」 効果と課題
ダイヤモンド・プリンセスの一部患者で有効も、高額で人手を要する
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