中高年の転職では「パワハラ歴」が最も厳しくチェックされるワケ
今年6月、いわゆる「パワハラ防止法」が施行されます Photo:PIXTA

世の中の価値観の変化に気付かず
ハラスメント問題に感度の低い中高年

 労働施策総合推進法の改正でパワーハラスメント対策が法制化され、2020年6月からパワハラの防止対策を講じることが企業の義務になります。また、セクシュアルハラスメントの防止対策は男女雇用機会均等法、育児・介護休業法により対策を講じることが義務付けられており、今回の法改正でさらに強化されます。

 上司と部下、あるいは社長と社員という上下関係をかさに着て横暴な振る舞いをする、いわゆるブラック企業やブラック職場がなくなるのは良いことです。

 ところが、中高年世代のなかには法律で対策が義務化されるにもかかわらず、ハラスメント問題に感度の低い人たちがまだまだ存在します。それどころか反発を覚える人もいるようで、その背景には「俺たちはこうやってきた」「仕事には厳しさが必要」といった思いや自身の経験があるように感じます。

 一昔前の企業では、若い社員はあまり人間扱いをされませんでした。たとえば私のサラリーマン時代、体育会系出身のある社員は、地方支社から出張に来た若手社員を名前で呼ばず、「おい、新人」と呼んでいました。私は後で若手社員本人から言われて知ったのですが、2週間「おい新人、なんで俺より遅く出社するんだ」と何かにつけて叱られ続けたそうです。こうした非常に理不尽な世界がまかり通っていました。

 ただ理不尽な扱いをされる一方で、何かあったときは上司や先輩が守るという側面もありました。そうした自分自身の経験があって、部下に厳しく接するのは悪いことではないという感覚があるのかもしれません。

 しかしパワハラ、セクハラは被害者が存在する問題であり、世の中の価値観はかつてとは大きく変容している事実に気付く必要があると思います。