米アルファベット傘下のグーグルはクラウド業界最大のパトロンだったが、今年は散財を続けられないようだ。グーグルは15日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響に対応するため、今年の「投資計画のペースを見直している」ことを明らかにした。ピチャイ最高経営責任者(CEO)が従業員に送った電子メールで言及した。その一環として同社は、採用のペースを落とし、データセンターや機器などの分野で「投資の焦点とペースを再調整する」方針だという。この最後の部分は、半導体メーカーなどの部品供給業者などにとって悪い知らせとなり得る。急成長を続けるクラウドコンピューティング事業でグーグルが大規模投資を急いできたことで利益を得ていたからだ。オンライン広告最大手のグーグルは、クラウド関連収入でアマゾンとマイクロソフトに大きく水をあけられているが、クラウドサービスの基盤となるネットワークやテクノロジーへの投資では最大だった。通信産業の調査会社デローログループによれば、グーグルの過去3年間のデータセンターへの設備投資額は計414億ドル(約4兆4700億円)と、マイクロソフトの345億ドル、アマゾンの320億ドルを上回った。