新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、医薬品や医療機器をはじめとする世界のサプライチェーンが中国に依存していることについて、不安を引き起こした。一方で中国側は、半導体という戦略的に重要な分野で輸入に依存していることを懸念している。自国の半導体産業の発展は、長らく中国の国家的な最重要課題の1つだった。昨年の半導体輸入額は3000億ドル(約32兆2500億円)超。その多くは輸出用の製品に組み込まれた。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)をめぐる騒動は、中国の輸入半導体への依存を浮き彫りにし、それが不都合なものであることが明らかになった。中国政府は昨年、国内半導体産業の育成を目指す約300億ドル規模の国家ファンドを新設した。中国は2014年にも同様のファンド(230億ドル規模)を創設している。半導体メモリー市場は米国と韓国のメーカーが支配するが、中国が力を入れている分野の一つであり、このほど同国で大きな前進があった。国内業界トップを走る長江存儲科技(YMTC)は今週、ストレージ用メモリーでは最先端の128層3次元NAND型フラッシュメモリーを開発したと発表した。
中国、半導体の国産化で妥協せず
半導体の米国依存回避策が一歩前進
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