コロナからの立ち上がり図る中国
商品券は需要喚起に繋がるか
新型コロナウイルス騒動の影響で、経済活動が停滞した中国。3月になると、徐々に経済活動が再開され、閉店していた飲食店や理髪店も再開し始めた。3月の経済はやや持ち直したものの、第一四半期はマイナス成長となり、落ち込んだ経済をどう「V字回復」させていくかが課題となっている。
新型コロナウイルスの感染拡大は、日本と同様、飲食業、サービス業に大きな影響を与えた。騒動はかき入れ時である春節の頃から始まったため、春節の各種イベントや家族の食事会などがキャンセルになり、これらの業種の受けたダメージは非常に大きかった。
3月13日付の『経済観察報』の報道によると、第一四半期の観光業の収入は1億2000万元(約18億1680万円)減、飲食業が9600億元(約14兆5344億円)減、交通運輸が1400億元(約2兆1960億円)、映画が100億元(約1514億円)減となるという。
中国共産党も一連の会議で社会経済秩序の回復に言及しており、「凍りついた需要」を活性化させると述べ、中国経済の発展エンジンの1つと言われる個人消費を活性化していくことを示唆した。2019年の最終消費の国内総生産に対する寄与度は約57.8%に達しており、個人消費の活性化は中国経済の今後に影響するため、経済活動を元通りにして市場に出回るモノやサービスを豊富にすることは、中国政府の大きな課題だ。
3月初めの習近平の武漢視察で、ウイルスを基本的に抑え込んだことが宣言されてから、経済活動が「復活モード」に入った。それを受けて、企業活動が次々と復活し、感染拡大期間中閉店していた飲食店も再開し始め、社会経済活動が徐々に日常に戻りつつある。さらに、いくつかの地方で消費活性化政策が打ち出された。その1つが、商品券の配布だ。
商品券の配布については日本でも議論されているが、中国でも消費活性化の“切り札”的な存在として、いくつかの地域で実施されている。商品券配布は本当に有効なのだろうか。