コロナで供給戸数は最低を更新!?
「新たな視点」で見る必要性
新築マンションの販売戸数が減りそうだ。売れ行き不振が言われて久しいが、マンションは売れていない時期が通常であり、たまに駆け込み需要のようににぎわう時期があるというのが現実だ。
そこへコロナショックがやってきた。売り方の問題にもよるが、未曽有の供給減少になりそうだ。しかし、だからと言って価格が下がるというわけではない。そこには販売側の本音が見え隠れする。そこを理解しておかないと、今のような状況下で、マンションの「買い時・売り時」は見えてこない。
2019年の首都圏の供給戸数は3万1238戸。2020年は前年並みの供給予測をするところもあるが、コロナショック前の私の予測は2万8000戸と、3%程度の供給減だった。2万戸台になるのはかなり久しぶりのことで、不動産経済研究所によると1991年の2万6422戸まで遡る。過去40年の最低値は1976年の2万5816戸なので、今年の供給は過去最低を更新する可能性が出てきた。
新築マンションの売れ行きでよく報道されるのが、初月契約率というもので、70%が売れ行きの良し悪しの目安と言われる。しかし、この数字は自己申告のため信憑性が低い。それに加えて、最近は期分け販売が細分化しており、もともと売れそうな戸数しか供給されない。70%程度になるように供給をコントロールしているに過ぎないので、私はこの数字はあまり重要視していない。
価格と供給戸数は反比例する関係にある。価格が上がって供給戸数が増えることはほぼない。価格が上がれば供給は減る。だからこそ、2020年の私の戸数予測は減少するのだ。私は売れ行きを正確に判断するために、価格×供給戸数で計算した販売総額のデータを作成して、市況を語るようにしている。