新型コロナウイルスの感染拡大で、院内感染による病院のクラスター化が相次いでいる。今後、日本の病院の院内感染対策がより一層強化されるのは間違いないだろう。医師(日本内科学会総合内科専門医)であり、かつビジネススクールで医療経営を教える筆者が、海外の病院の事例を紹介しつつ、日本の病院が改善すべき点などを解説する。(中央大学大学院戦略経営研究科教授、医師 真野俊樹)
院内感染による病院のクラスター化が相次ぐ
米国では意外に少ない?
永寿総合病院、中野江古田病院など日本では病院がクラスターになる例が相次いでいる。いわゆる院内感染である。新型コロナウイルスは非常に感染力が強いので、こういった事態が起きることはやむを得ないのかもしれない。
しかしながら、院内感染は医療者にとっても患者にとっても非常に不幸なことであるので、何か対策がないかと考えてみた。ただ、筆者は感染症対策の専門家ではないので、海外の状況やそこから学べることをご紹介したい。
まず、感染者が多いアメリカではどうだろうか。