新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による世界経済への打撃はリーマンショック時(世界金融危機)を上回り、1920~30年代の大恐慌以来最悪のものになる――という国際通貨基金(IMF)の予測が衝撃を広げている。
コロナ不況の特徴は何か。世界金融危機時に日本銀行副総裁として対応に当たった山口廣秀・日興リサーチセンター理事長にインタビューした。
山口理事長は(1)コロナ不況が長引けば、主要国で金融機関の破綻につながる「グローバルな金融システムの動揺」が起きる可能性が大きい。(2)不況が長期化し、マイナス成長が複数年続く事態も視野に入れておく必要がある――などの見方を示した。(聞き手/ジャーナリスト 岡田幹治)
金融システム不安起きれば
より厳しいシナリオに
――IMFが4月に発表した「世界経済見通し」では、「今年はマイナス3.0%成長に落ち込むが、来年は5.8%にV字回復を果たす」という基本シナリオのほか、「考えうる別の展開」が書かれています。