多くの政策当局者や企業幹部はつい最近まで、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後のV字型の景気回復を期待していた。短期的な急降下から、パンデミック前の状態に素早く戻るとみていたのだ。だがこのところは、「スウッシュ」型の回復を予想するようになった。ナイキのロゴマークにちなんだこの名称が示すのは、大幅な落ち込みに続く、痛ましいほど遅々とした回復だ。欧米など西側諸国の国内総生産(GDP)が2019年の水準に戻るのは来年の終わりか、それ以降になるとみられている。酔いも覚めそうな見方だが、これは今春に入り統計に表れた景気収縮の深刻さを反映している。失業者の急増に加え、とりわけ西側世界における何カ月あるいは何年にもわたるソーシャルディスタンシング(社会的距離の確保)が、来年のかなり先まで経済活動を下押ししそうな気配が明らかになっていることも背景にある。
コロナ後の景気回復、ナイキのロゴマーク型になる理由
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