公務員が地方創生を目指して「女子高生」とタッグを組んだワケコロナ後には「地方創生」のチャンスがやってくるかもしれない Photo:PIXTA

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

コロナ後の「集中」から「分散」への流れは
地方創生のチャンス

 私が軽井沢に移住して、今年で10年目になる。

 移住した当初は、勤めていた東京の会社を辞められず、毎日新幹線で通勤していた。

 軽井沢で仕事をするのが理想だったのだが、軽井沢周辺には私のそれまでの経験を生かせる会社はなく、自分で何か商売を始めようにも、そんな才覚もなかったからだ。

 その後しばらくして、その会社では非常勤となり、毎日の新幹線通勤からは解放された。そして、幸いにも個人事業主として、(この原稿を書く仕事を含め)新たな仕事をいくつかいただけるようになった。

 しかし、それらの新しい仕事の大半は、不定期にでも東京に行かなければならないものだった。したがって、だいたい週の半分ほどは東京に出かける生活が続いていた。

 今も同様に仕事をしているのだが、この2カ月間、まったく東京に行っていない。周知の通り、緊急事態宣言が出され、他都道府県への移動自粛とリモートワークが推奨されたからだ。

 私が住む長野県では、先日、緊急事態宣言が解除されたが、依然、県境をまたぐ移動自粛は求められている。しかも、仮に全国で緊急事態宣言が解除され、諸々の自粛要請がなくなったとしても、すべてが元に戻るわけではなさそうだ。

 第2波の感染拡大や、新たに出現するかもしれないウイルスに備えなくてはならない。そのために、大都市圏に集中する企業活動や、個人の住環境を、もっと地方へ分散すべきだという議論も起こっている。

 もし、現実に地方への分散が推進されるようになれば、各自治体にとっては、衰退を防ぐ絶好のチャンスになる。