Photo by Toshiaki Usami
7月24日、東京証券取引所にファッショナブルな一行が現れ、注目を集めた。その中心にいるのは大人気の服飾・雑貨輸入販売仲介サイト「BUYMA(バイマ)」を運営するエニグモの創業者である須田将啓と田中禎人。この日、エニグモは東証マザーズに上場した。
BUYMAはインターネットを使って一般生活者同士(CtoC)でファッション商品を売買する場である「ソーシャル・ショッピングサイト」。世界70カ国に住む3万人の個人バイヤー(商品調達者)が150万点以上の商品をBUYMAのサイトに出品し、それを90万人の会員が購入する仕組みだ。日本未入荷や海外限定のブランド商品が数多く出品されるため、流行に敏感な若い女性などを中心に会員数を伸ばしている。
運営者であるエニグモは、取引された商品の価格に応じて売り手と買い手からそれぞれ数パーセントの手数料を受け取る。2013年1月期の業績見込みは売上高が前期比40%増の11億9000万円、経常利益は同72%増の3億5400万円。まさに急成長中だ。
自分の欲しい海外商品が
手に入りにくい不満を解消したかった
BUYMA誕生のきっかけは02年のクリスマスの夜。当時28歳だった博報堂社員の須田と田中が残業の合間に起業のアイデアを語り合ったことにあった。
口火を切ったのは田中だった。
「インターネットを使い、海外にいる多くの日本人を通じて買い物を気軽に頼める仕組みがつくれないものか」──。
米国暮らしが長かった田中は、自分が欲しい海外の日用品などが日本でなかなか手に入らないことに不満を感じていた。友人の中には、相当な金を払って海外在住の日本人にバッグや靴の買い物を頼む者もいた。