企業は縮小することで危機を乗り切れるだろうか。危機があまりに大きいがために企業文化の急転換は可能だろうか。日産自動車と仏ルノー、三菱自動車の3社連合の場合、1つ目の疑問の方が2つ目の疑問より楽観的に捉えることが容易にできる。日産は28日、待ち望まれた改革計画の一環として、特に欧州や東南アジアなど、もはや「中核」とみなされない地域で生産能力を20%削減することで黒字回復を目指すと述べた。一方、ルノーは29日に自社計画を発表する。筆頭株主のフランス政府が支援する50億ユーロ(約5960億円)の救済融資がありながら、間の悪いことに工場を閉鎖しなければならない。減産は一段と深い協力関係によって可能になる。27日発表された経営計画によると、各社は車種や技術、販売地域ごとに「リーダーとフォロワー」の枠組みに沿って強みを生かしていく。日産は大型車と米国・中国・日本市場でリーダーとなる。ルノーは欧州と南米の小型車で、三菱は大型のプラグインハイブリッド車(PHV)と東南アジアでそれぞれリードする。
日産とルノー、合併なき「合併後の統合」リスク
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