

石島 具体的には?
河野 ソフトの話は先ほどしたのでそれ以外で言うと、PS Vitaというハードは最先端の携帯型エンタテインメントシステムとして様々な特長を備えています。といっても、それらはコンテンツの魅力、可能性を最大限に引き出すために存在していて、単なる高スペックを自慢するためのハードではありません。それによって、お客さんに楽しんでもらえる、そんな可能性を秘めたハードだと私は思っています。
その可能性がお客様に直感的に伝わるときに“すごいね”と言っていただけるし、ソフトメーカーさんからも賛同いただける。そのために、頑張らないといけないことがたくさんあると思っています。
河野 たとえば、今は、サービスとアプリケーションとネットワークがどうこうって話ばかりするけど、「スゴイのはこの技術に秘密があるんですよ」って話をしようよと。いくらいい仕事をしても、誰も語ってくれないんだったら、エンジニアもモチベーションが上がらないでしょう。
ただし注意しなくてはいけないのは、そのスゴさをお客様に伝わる言葉で発信しなくてはいけないこと。社内の事業戦略書類ならいいけど、お客さんには単純な言葉で伝えないと。「キレイ」とか「音がいい」とか「面白い」というような、誰もが分かる言葉でお客様に商品のスゴさを伝えられるようになりたいと思いますね。
あとは、「社員が一番アクセスしやすい社長になる」こと。社員のみんなには「こんなこと社長に言うとマズイだろうなぁ」って心配をさせずに、気軽にメールを出してもらえるようなトップでいたい。
石島 そうはいっても、2社のトップ兼務はなかなかしんどそうな気がします…。
河野 もちろん、楽じゃないです。でも、そういうトップであれば、2社のトップを兼務していても、なんとかやりきれるんじゃないかなって、私は思っているんですけどね。