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「安いからソニーにしよう」ではなく
「この値段でも買いたい」を目指す
――ソニー・コンピュータエンタテインメント取締役
兼ソニーマーケティング社長 河野弘氏インタビュー

石島照代 [ジャーナリスト]
【第33回】 2012年8月29日
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石島 具体的には?

河野 ソフトの話は先ほどしたのでそれ以外で言うと、PS Vitaというハードは最先端の携帯型エンタテインメントシステムとして様々な特長を備えています。といっても、それらはコンテンツの魅力、可能性を最大限に引き出すために存在していて、単なる高スペックを自慢するためのハードではありません。それによって、お客さんに楽しんでもらえる、そんな可能性を秘めたハードだと私は思っています。

 その可能性がお客様に直感的に伝わるときに“すごいね”と言っていただけるし、ソフトメーカーさんからも賛同いただける。そのために、頑張らないといけないことがたくさんあると思っています。

2社トップ兼務継続のコツは
社員とのコミュニケーション環境改善にあり

河野 たとえば、今は、サービスとアプリケーションとネットワークがどうこうって話ばかりするけど、「スゴイのはこの技術に秘密があるんですよ」って話をしようよと。いくらいい仕事をしても、誰も語ってくれないんだったら、エンジニアもモチベーションが上がらないでしょう。

 ただし注意しなくてはいけないのは、そのスゴさをお客様に伝わる言葉で発信しなくてはいけないこと。社内の事業戦略書類ならいいけど、お客さんには単純な言葉で伝えないと。「キレイ」とか「音がいい」とか「面白い」というような、誰もが分かる言葉でお客様に商品のスゴさを伝えられるようになりたいと思いますね。

 あとは、「社員が一番アクセスしやすい社長になる」こと。社員のみんなには「こんなこと社長に言うとマズイだろうなぁ」って心配をさせずに、気軽にメールを出してもらえるようなトップでいたい。

石島 そうはいっても、2社のトップ兼務はなかなかしんどそうな気がします…。

河野 もちろん、楽じゃないです。でも、そういうトップであれば、2社のトップを兼務していても、なんとかやりきれるんじゃないかなって、私は思っているんですけどね。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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