人間は座っている「だけ」で疲れる。
肩コリ、腰痛、首コリ、猫背、むくみの原因は「座り仕事」だった!
「ただ座っているだけなのに、なぜ疲れてしまうのか」。
その答えはシンプルで明快。
「筋肉は動かさないと硬くなる。硬くなると、血流が悪くなり、コリが生まれる」。
硬くなった筋肉を徹底的にほぐし、コリをとる。それにはストレッチしかない。
『座り仕事の疲れがぜんぶとれるコリほぐしストレッチ』の著者、ストレッチトレーナーのなぁさんに「座り仕事」のしつこい疲れのとり方を聞いた。連載のバックナンバーはこちらから。
骨盤「だけ」をケアしてはいけない
座り仕事で「同じ姿勢をキープ」し続けると、筋肉が固まり、血流が悪化し、コリや張りが生まれます。筋肉を動かすから疲れるのではなく、「動かさないから疲れる」のです。次のイメージイラストを見てください。
こうした筋肉の特性を考えたとき、座り仕事で使わないほうがいいツールがあります。
それは、腰まわりをガッチリ固める「骨盤矯正クッション」。このクッションの謳い文句は次のようなものです。
「筋肉に負担がかかるのは、骨盤が本来の位置からずれているから」
「骨盤がずれないように、腰まわりをガッチリ固める」
「これで体が疲れにくい姿勢をラクに維持できる」
確かにそうなのですが、問題は「その後」なのです。
腰まわりをガッチリ固めると、自動的に背骨や股関節も固定されます。となると、つまりこれはこれで「座る姿勢を一定にキープし続ける」わけです。
腰まわりの負担は一時的に軽くなっても、長期的には、体のほかの部分に負担がかかります。時間を忘れて集中しやすい仕事中に「骨盤矯正クッション」を使うのは、避けたほうが無難です。
すべての原因は、筋肉が硬くなることにあります。ならば、硬くなった筋肉をほぐし、元に戻すストレッチをすればいいのです。
筋肉をゆっくり伸ばすことで、血流がよくなり、酸素が体中をめぐります。すると老廃物が流れ、筋肉のこわばりも解きほぐされていきます。柔らかくほぐれた筋肉なら、新鮮な血液が常に全身をめぐるようになり、老廃物のたまりにくい「疲れにくい体」になるのです。