『週刊ダイヤモンド』6月27日号の第1特集は「高ステータス&高収入でいられるか? コロナで異常事態! 医者&医学部 最新序列」です。必死のコロナ討伐の裏で、開業医は患者激減で経営危機、コロナ対応した病院ほど大赤字。高額バイトも急減し、高ステータス・高収入の象徴的存在であった医者たちが「生活不安」を初めて感じる異常事態に直面しています。これまで「最強資格」と言われてきた医者を襲うアフターコロナの激変を取材しました。
コロナ禍で
「失業の危機」に瀕した医者たち

高収入で社会的地位が高い。どんな不況にも強く、決して食いっぱぐれることはない――。
バブル崩壊以降、これを満たしてきた職業は、医者しかないといっても過言ではない。
文系の最強資格だった弁護士、公認会計士は、食えない者も登場し、ワーキングプアと揶揄される寸前まできている。他の理系の職といっても、日本の製造業の未来は決して明るくなく、一生を捧げる仕事としては心もとない。
このようなマインドが、ここ数十年の医学部受験を過熱させ、1980年から2017年の間に、医学部の平均偏差値は、10近く上昇し、いまや十数倍という倍率を勝ち抜かなければ、医師への道は開けないほどだ。
それだけ苦労して医者になった先には何が待っているのか。
確かに他職種に比べて医者の給料は高く、女性でも30代になれば平均給与が1000万円を超えてくる。
60歳を超えても、年収はそれほど下がらず、人生100年時代を見据えれば、長く働けるという面でも、医者は魅力的だ。
しかし、今回の新型コロナウイルスの感染拡大で、実際に患者の対応に当たった医者たちは、ほとんどが危険手当ももらえずに、最前線に立たされ続けた。