GAFAやユニコーンを生む条件

でも、今、世界を動かしている、GAFAやユニコーンを見てください。

すべてアイデアから生まれていますよね。

亡くなったスティーブ・ジョブズのような人が世界を動かしている現在、製造業に合わせた教育では、新しいアイデアを発想する人材はなかなか育たない。

今、GAFAやユニコーンを生む条件は世界中でほぼ共有されています。

それは、ダイバーシティと高学歴です。

いろいろな人が世界中から集まって性別フリーで勉強しなければ、すぐれたアイデアは生まれない。世界の新しいサービス産業中心の社会構造と日本の従来の工場モデルとが合っていないのが日本の最大の問題です。

実は、日本人が哲学や宗教を苦手なわけではないのです。

日本の大学の構造と社会の構造が学生や社会人を勉強させないようにしているわけですから、ここに日本の本当の問題があるのです。

男性:どういう教育がいいと思われますか。

出口:とことん大学側は学生に勉強してもらう環境を用意して、目一杯、大学時代に勉強してもらうことです。

そして企業側は大学時代の成績を重視する採用基準に変えることです。

 世界の一流企業では、たとえハーバード大学を卒業していても、大学時代の成績が平均以下だったら歯牙(しが)にもかけません。

「ハーバードを出たのに成績は平均以下の人」がどう評価されるかというと、こうです。

 ハーバードに入ったのだから地頭はいいだろう。でも、成績が平均以下なので、要領よくテキトーに4年間をすごしたのだろう。

 こんな人を採用しても、上司の間をうまく泳ぎ回ってゴマをすって偉くなるだけだから、何一つ創造的な仕事はしないと。

 わかりますか?

 日本以外の全世界の大学生は学生時代に必死に勉強する。

 そうしないと卒業、就職できないから。

 今、政府がやっている残業規制や働き方改革は根本的には間違ってはいません。従来の「メシ・風呂・寝る」ではアイデアは出ない、残業規制や休暇を強制的に取らせて脳を刺激しないといけないとやっとわかってきた。遅きに失した気はしますが、やらないよりやったほうがいい。インプットしなければ、アウトプットできないのは当然ですから。「メシ・風呂・寝る」の生活から「人・本・旅」の生活に変えなければいけないのです。


 続きは次回にしましょう。
 過去の僕の『哲学と宗教全史』全連載は「連載バックナンバー」にありますので、ぜひご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。