年間2000時間労働のもとで
もう1つは、日本の場合、社会人になると年間労働時間が平均2000時間なので、「メシ・風呂・寝る」の日常に追い込まれるからです。
しかも、残業後に同じ会社の人たちで飲みにいくわけですから、勉強時間が物理的に取れない。
だから、日本人が勉強しないのではなく、日本の社会構造が、大学生にも社会人にも勉強できなくしている社会構造が問題なのです。
では、なぜこんな社会構造になったかといえば、戦後、日本は、製造業の工場モデルで成長してきたからです。
全世界の製造業を見ると、製造業の従業員は大卒以上が4割しかいない。つまり低学歴産業です。
製造業のものづくりで戦後うまくいったので、日本の社会全体が製造業の工場モデルに過剰適応し、低学歴でいいということになった。
製造業に向く人材は、現場のマニュアルが読めるぐらいの偏差値があり、素直で、我慢強く、協調性があって、上司のいうことをよく聞く人。「5要素」と呼んでいますが、こういう人たちが工場にピッタリだった。