「エデルマン・トラストバロメーター」が
暴いた真実
実は「エデルマン・トラストバロメーター」という調査があって、これを見ると、自分が属している組織のことを信じている人は、日本は先進国の中ではぶっちぎりに低いのです。
だから、こういうデータと飲み屋でのうさばらしなどを総合的に分析すると、日本人は、実は自分の会社のことを全然信頼していないというファクトが浮かび上がります。
日本人がもともとITに強いということはありません。
日本人なんかどこにもいないわけですから。
堂島の米市場については僕が「週刊文春」で書きましたが、特殊な状況下で生まれたもので、別に先進的でも何でもないのです。
今の日本人が「ITに弱い」というのは、戦後の製造業の工場モデルの中で「みんなと同じことをしなさい」と教育を受けてきて、特に文系の人は理科系の勉強をほとんど勉強してこなかったという特殊な社会構造の中で理解すべきです。
日本人はこうだからいう議論は、ほぼ100%、トンデモ論です。
戦後の社会構造から解き明かしていかないと何もわからないのです。
男性:承知しました。
では、小さな会社がAI時代に取り組むべきことはありますか?
出口:これもすべて答えは出ています。競争が大切です。
日本の一番の問題は、市場から退出すべきなのに生き残っている“ゾンビ企業”が大量に存在することです。
彼らが政治家に陳情して税金をゾンビ企業に投入することでゾンビ企業が生き延びる。
彼らはアイデアがありませんから、ひたすら安売りに走り、それが普通の企業の足まで引っ張る形になっている。そこが日本の企業構造の大問題です。