災害時などに食べる非常食の需要が急増している。
ネット通販サイト大手の楽天では、今年1~8月までの非常食の売上高は、前年同期比で2倍に増加。さらに一昨年比では実に10倍に拡大している。
また、楽天市場への登録商品数で見ても、「震災前の約2倍となる約5200商品となった」(楽天)という。
背景にあるのは、昨年3月の東日本大震災以降の防災意識の高まりだ。昨年は需要急増で在庫切れのケースが多かったが、今年に入って各社の供給体制が調ってきたこともあり、売上がさらに伸びている。
こうした中、非常食のトレンドにも変化の兆しが現れている。
「最近は“おいしい”“非常食”などのキーワードで検索する顧客が多い」(楽天)のだ。
非常食の中には、入手困難なものも出ている。
パンで大人気なのが、ボローニャFC本社の「缶deボローニャ」。かつては“行列のできる屋台のパン” として一躍ブームとなった同社のデニッシュ食パンだ。
その後、2004年の新潟中越地震時に海上自衛隊向け商品として缶入り商品を開発し、07年から一般向けにも販売を開始した。
2年間の長期保存が可能なだけでなく、従来のデニッシュ食パンと同じ工程で作られていることから、その味も評判となった。
「震災前は月産3万缶だが、今は6万缶。それでも50万缶のバックオーダーを抱えており、3ヵ月待ち」(同社)という人気ぶりだ。
一方、コメで人気なのは、尾西食品の乾燥備蓄米(アルファ米)「尾西のごはんシリーズ」。