中小企業庁の前田泰宏長官衆院経済産業委員会の閉会中審査で答弁する中小企業庁の前田泰宏長官(6月24日撮影、国会内) Photo:JIJI

新型コロナウイルス対策の持続化給付金をめぐり、さまざまな疑惑が生じる中で、「文春砲」もあって、前田泰宏中小企業庁長官とサービスデザイン推進協議会との「癒着」疑惑が世間から注目されている。この疑惑を考えるに当って「何が鍵となるのか」、この疑惑を考えるヒントについて、元総務省官僚でもある筆者が解説してみたいと思う。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)

コロナ禍での事業者支援策を巡り
さまざまな疑惑

 新型コロナショックで窮地に立たされている多くの事業者を支援し、救済するために本年度第1次補正予算で設けられ、第2次補正において拡充された持続化給付金。その給付の事務委託をめぐり、さまざまな疑惑が生じているのはご承知のとおり。

 一つは給付の事務を受託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会が単なる中抜きのためのトンネル法人ではないのかという疑惑、もう一つは、業務は実質的には電通が受託し、同社がさらに中抜きをして次から次へと再委託していることの妥当性を巡る疑義、そして、もう一つは同協議会と経済産業省の癒着をめぐる疑惑である。

 このうち、3つ目については、個人間での癒着疑惑にまで話が発展し、「文春砲」が音声まで入手、公開したこともあって疑惑は強まり、永田町のみならず一般国民の関心も高まっている。