「インターンシップは、学生がグループをつくって企業の業務に合った企画案を出すワークショップや、社員に付き添って業務の見学をするのが一般的です。しかし、『ブラックインターン』は、企業がインターンと称して学生を集め、アルバイトと同じような業務をさせて賃金を支払わない、もしくは一部しか支払わないケースを指します」

 そう話すのは、NPO法人POSSEで代表を務める、社会学者の今野晴貴氏だ。

今野晴貴氏
今野晴貴(こんの・はるき)/NPO法人POSSE代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。年間3000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。『ブラック企業 ――日本を食いつぶす妖怪』(文春新書)、『ブラック企業から身を守る!会社員のための「使える」労働法』(イースト・プレス)など、著書多数。

「この5年ほどで、アルバイトを募集する代わりに学生を『採用』するブラックインターンの手法が、ベンチャーのIT企業や広告代理店などの“新興産業”を中心に広がっています。ブラックインターンの被害に遭った学生は、ほとんど無給で『営業』や『倉庫作業』など、その会社の利益に直結する業務をさせられているのです」

 ブラックインターンに参加すると、長時間の労働を強いられたり勤務の回数が多かったりして、大学の授業や日常生活にまで支障を来すという。

「ブラックインターン増加の一因は人手不足にあります。以前のインターンは、一部の有名企業が実施していました。しかし、人手不足が深刻化する中でアルバイトを雇う人件費も使いたくない企業が人手を確保する手段として『インターン』を活用するようになったのです」

 ベンチャーのIT企業や広告代理店などの新興産業は、学生に人気の業界。そのため、「就職に役立つ」とうたってインターンを募集すれば有名、無名を問わず、それなりの人数が集まるという。