欧州中央銀行
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ECBの量的緩和策に“警告”
ドイツ憲法裁判所が「違法」

 欧州中央銀行(ECB)は6月上旬に開いた政策理事会で、新型コロナウイルスの影響で弱ったユーロ圏経済を支えるために量的緩和の拡大を決めた。

 追加で6000億ユーロ(約72兆円)もの資産買い入れ枠を用意し、ユーロ圏の国債などを買って市場に潤沢な資金を流す追加緩和策を打ち出したが、記者会見でクリスティーヌ・ラガルド総裁の表情をこわばらせたのは、ドイツ憲法裁判所の「違法判決」についての質問だった。

 ECBが2015年に導入した国債買い入れのプログラム(PSPP)を憲法裁判所が、物価目標への効果や各国の金利にどういう影響があるのか、検証や説明が不十分として、国債買い入れを差し止める可能性を示唆したからだ。

 ドイツの法学者らが財政ファイナンスにあたるとして訴えていたものだが、新たな理由での「違法判決」に波紋が広がっている。

国債買い入れ差し止めを示唆
イタリア国債は一時急落

 判決が出されたのは 日本で外出自粛要請などが行われていたゴールデンウィークの最中の5月5日。

 欧州でも、新型コロナとの戦いが佳境を迎え、イタリア、フランス、スペイン、ドイツなどユーロ圏の主要各国は、人の移動や経済活動を制限する「ロックダウン」の真っただ中だった。