保険会社vs金融庁#4Photo by Akio Fujita

改正保険業法の施行から3年超、関東財務局が保険代理店61社のヒアリング結果を公表した。その中身は、通常の行政文書とは全く異なるものだった。特集『保険会社vs金融庁』(全8回)の#4では、その真意を読み解く。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

「週刊ダイヤモンド」2020年7月4日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

関東財務局が61社ヒアリング結果を公表
「異例の行政文書」の狙い

「これまでの行政文書とは全く違う」「異例の行政文書だ」。6月19日、関東財務局が公表した「管内保険代理店に対するヒアリングの実施結果について」を見た保険関係者たちは、一様に驚きを隠さなかった。

 無理もない。行政文書といえば通常、事実関係を淡々とつづるもの。ところが関東財務局が公表したレポート「保険代理店との対話を通じて『見て、聞いて、感じた』こと」は、書き手の行政官たちの思いが色濃く反映された、まさしく“異例の行政文書”なのだ。

 では、中身をひもときながら、このレポートに込められた行政官たちの狙いや思いを見ていこう。