まず、子である就活生に聞いた「就職したい業種ランキング」の1位は「商社」で、就職したいと答えた人は29.1%に上った。2位は「IT(ハードウエア、ソフトウエア)/ITサービス」で25.2%だった。
3位は「製造業」と「食料品/飲料/嗜好品」(17.6%)が同率で並び、5位には「金融/証券/保険」がランクインした。
一方で、親は子どもにどんな業種に就職してほしいと思っているのだろうか。「子どもに就職してほしい業種ランキング」1位は、「官公庁/公共団体/公益法人」で25.3%に上った。
およそ4分の1の親は、子どもが「公務員」になることを希望しているが、子に聞いたアンケートでは「官公庁/公共団体/公益法人」は10位(11.9%)だったことから、親子間で大きなギャップが生まれていることが分かる。
また、子のランキングでは6位(16.7%)と上位に入った「マスコミ/広告関係」は、親のランキングでは17位(3.8%)に。一方で、子のランキングでは16位(4.8%)と人気のあまり高くなかった「医療/福祉/介護施設/サービス」が、親のランキングでは5位(13.7%)に入るなど、子どもが就職を希望する業種と、親が子に望む業種は、異なっていることが分かった。
ただし、このアンケートを実施したのは2020年2月5日~17日と、新型コロナウイルスの日本国内での流行が本格化する前だったため、子の就職先に対する考え方も変わっている可能性がある。
直近ではコロナ不況を反映して公務員人気が復活し、筑波大学の同窓会が主催したオンラインOB・OG訪問では、公務員のOBに人気が集まった(参照:「『オンラインOB・OG訪問』大盛況!就活生にも企業にもメリット大の理由」)。
確かに、今回の調査では親が子に就職してほしい業種と子の志望する業種は異なっているが、現在の就職環境や企業を取り巻く経済環境を踏まえた上で、親子で冷静に話し合ってみることが大切だろう。