新型コロナウイルスの影響で、関心が高まっている医療保険。その医療保険は入院日数の短期化が進展する中で、保障内容が実態と合わなくなりつつある。今後必要になる医療保険とはどのようなものなのだろうか。
ついに30日を切った
短期化傾向が進む入院日数
ほとんどの人は大病を患えば病院や診療所に入院し、必要であれば手術を受ける。そして、無事に退院できれば、その後は定期的に通院するケースが一般的だ。この入院であるが、近年は短期化傾向にある。「平成29年 患者調査」によると、傷病で入院した患者の平均在院期間は29.3日と、ついに30日を切った。
近年、医療を取り巻く環境が大きく変わってきている。それに伴い、民間の保険会社が販売する医療保険も進化してきた。そこで新型コロナウイルス問題で、最近改めて世の中の注目を集めている医療保険について解説する。
日本の公的医療保険制度
日本の公的医療保険制度は非常に充実している。患者は要した医療費のうち、3割のみを自己負担すればよい。また、高額療養費制度があるため、所得水準によって異なるものの、毎月一定額以上の医療費の負担は必要ない。
しかし、日本の公的医療保険制度は財政的に厳しい状況にある。国民医療費は2017年度に43兆円を超え、国内総生産(GDP)に占める割合は何と7.9%に上るからだ。