DXは
「長い旅行」である

――ここ数年でDXという言葉を耳にする機会が増えました。しかし、デジタル技術に知見がなく、取り入れ方が分からない企業も多いのではないでしょうか。

 そうですね。アビームはDXを「長い旅行」と捉えています。

 みなさんが旅行に行くとき最初に考えるのは、「何をしたいのか(目的)」ではないでしょうか。海でのんびりするのか、山に登り汗を流すのか、街巡りをするのか……。その目的を軸にしながら行き先や道筋、必要な装備や期間、予算を決めていくと思います。

 DXを進める流れも、同じです。

 企業がデジタルの力を使って会社の仕組みを大きく変える際、最初に重視すべきは、「これをしよう」と決めることです。

 目的が決まれば、達成のためのアジェンダ設定、道筋の設定と進められます。この目的を決めるまでの期間でアビームが大切にしているのは「トライアンドエラーを重ねること」です。

――DXでは「エラー=失敗」ではないということですね。

 むしろ、従来のように「最初に要件を聞き、1年半後にシステムができるのを待つ」という形で進めるのではなく、しばらくはあれこれ試しながら「どのような方向で進めるのか」を決めた方が、良い取り組みになります。

――試行錯誤する準備期間のほかに、必要なものはあるのでしょうか?

 準備期間を「投資」と捉える視点が必要です。

 実際の解決策となるシステムの設計を決めて構築するまでの期間は、クライアントにとっては「投資」です。この期間内に短期的な成果を得ようとするのは禁物です。成果はシステムを運用した後に生まれてくるため、中長期的な視点が必要です。

 だからこそ、「システムができたから終わり」ではなくて、作ったシステムを機能させていくことが重要なのです。