「無差別平等」がモットーだった発足当初の生活保護の精神は、現在も変わらないだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

生活保護制度は最初から
文字通りの「無差別平等」だったのか

 2020年は、1945年8月の終戦から75年目、1950年に新生活保護法が施行されてから70年目の節目にあたる。改めて、生活保護制度が生まれた経緯を検証しよう。

 一般的に「生活保護法が施行された」とされている1950年までを、教科書的に時系列で整理すると、以下の通りである。

・1945年8月15日 終戦、日本はGHQ占領下に

・1945年12月8日 GHQ指令(SCAPIN404「救済ならびに福祉計画の件」)により、国家責任によって生活困窮者を無差別平等に救済する法を定めることが指示される

・1946年2月27日 GHQ指令(SPAPIN775「社会救済」)により、「公的責任の原則」「無差別平等の原則」「救済費非制限の原則」を含む公的扶助を実現することが指示される

・1946年10月 旧生活保護法施行

・1947年5月 日本国憲法施行

・1950年5月 新生活保護法施行

 大学などで社会福祉を学ぶ人々のための教科書には、おおむねこのように記載されている。高校までの社会科教科書に、社会保障に関する詳しい記述があるとすれば、やはりこのような内容となるだろう。そしてこの時系列から、通常は「GHQが、普遍的な差別禁止と平等をもたらした」と理解されるだろう。

 それは「誤り」というわけではない。現在の生活保護法に含まれている無差別平等原則は、普遍的な差別禁止や人としての平等を基本としている。しかし、「最初からそうだった」と理解するのは早計だ。カギは、「無差別平等」という用語にある。