大切な老後資金を詐欺師から守るために、十分気をつける必要がある。詐欺に遭うのは高齢者とは限らないので、自分は大丈夫だと思わないことが重要である。(経済評論家 塚崎公義)
詐欺に遭うのは高齢者とは限らない
詐欺というと、「判断能力の衰えた高齢者が被害に遭うもので、自分とは関係ない」と油断している人も多いようだが、決してそうではない。
まずは、若者。詐欺に遭った経験がなく、友人知人にも詐欺被害の経験がないと、無防備になりやすい。そこが詐欺師の狙い目となるわけだ。
自尊心の強い人も、詐欺に遭いやすいといわれている。一流企業の部長や重役が詐欺に遭うことも珍しくないようだ。自尊心が強いと、相手の説明に納得していなくても、「質問するのが恥ずかしい」と考えるからではないか。「さすがに理解が早く、お目が高い」などとおだてられると、ますます質問しづらくなるのだろう。
欲張りも、詐欺の被害に遭いやすいはずだ。もうけ話に安易に乗っかる傾向があるだろうからだ。
もちろん、そうはいっても、高齢者が最大のターゲットであることは間違いないようだ。読者自身が高齢であればもちろんだが、そうでなくとも周囲の高齢者に注意を促すことが必要であろう。
お盆の時期に帰省したり、あるいは帰省しないまでも田舎の老親に連絡したりする読者も多いであろう。その際に、一言でいいので、詐欺に注意するように伝えることをお勧めしたい。