「不況もまた良し」と思える経営者が、大きな変革を実現できる理由
コロナ危機の今だからこそ、改革のチャンスともいえます Photo:PIXTA

人材は超売り手から買い手市場に
「雨がやんだら傘をたたむ」

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表
小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 昨年の今頃は人材の超売り手市場が続いており、多くの中小企業経営者が採用難に頭を抱えていました。それは厚生労働省が発表している月別の有効求人倍率に表れていて、昨年前半のピーク時には1.63倍まで上昇していました。これは仕事を求めている100人に対して163人分の仕事があったということです。

 コロナ不況に見舞われている今、最新の有効求人倍率(6月)は1.11倍まで落ち込んでいます。また、日銀短観を見ると、大企業、中堅中小ともに製造業では人余りが起こっていることが分かります。非製造業はまだ人が足りない状況ですが、それも急速に改善に向かっています。

 ところが、いまだに「人を採れない」と思い込んでいる経営者が少なくありません。超売り手市場が長く続いたため、その感覚が染みついているのです。

 私は、当社のお客さま向けの講演やセミナーでこんな話をよくします。「雨が降り出しているのに傘を差さずにいる人がいます。一方で、雨がやんだのに傘を差している人がいます。みなさんもそうなっていませんか」

 雨が降り出したら傘を差さなければだめだし、雨がやんだら傘をたたまないといけません。要するに、環境の変化をよく観察して対応しなければならないということ。意識しておかないと、人間は直前までの感覚をそのまま引きずるものなのです。