約半数「旅行に行きたいと思わない」
GoTo利用が進まない背景にある不安

ブランド総合研究所 GoToキャンペーン(旅行)の意識&ニーズ調査
Goto開始直前(7月中旬時点)における旅行の予定について
出典:ブランド総合研究所 GoToキャンペーン(旅行)の意識&ニーズ調査
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 今回の調査では、GoTo開始直前の7月中旬時点におけるGoToキャンペーンでの旅行の予定についても尋ねている。「すでに予約している」(3.0%)、「具体的に検討している」(4.8%)、「できれば行きたい」(9.9%)という結果になり、合計で17.7%の人が旅行への意欲を持っていたことが分かった。

 一方で、「旅行には行くが、GoToは利用しない」人が2.9%、そして「感染が収まれば検討したい」が28.7%だった。なお、最も多かったのが「旅行に行きたいとは思わない」で、半数を超える50.7%に上った。

 巨額の予算1兆3500億円が投じられながらも、GoTo開始直前での予約率は、本調査によるとわずか3%だったわけだが、旅行への意欲を下げているのはやはりコロナへの不安だろう。本調査では、「旅行への意欲を持っている人」(「すでに予約している」「具体的に検討している」「できれば行きたい」「旅行には行くがGoToは利用しない」の回答者)と、「感染が収まれば検討したい人」に分けて、不安に感じていることを聞いている。

 まず、旅行への意欲を持っている人は「(自分が移動することで)感染拡大につながらないか」(52.9%)、「自分が感染しないか」(46.1%)、「感染防止策がされているか」(32.5%)の順で不安を感じていることが分かった。

 一方で、感染が収まれば検討したい人は「自分が感染しないか」(79.9%)、「感染拡大につながらないか」(76.5%)、「感染防止策がされているか」(48.7%)の順で不安を抱えており、その割合は旅行への意欲がある人と比べても圧倒的に高かった。

 両者の比較からも、「旅行に行きたい」思いより「怖い」という心理が勝っているからこそ、旅行に行くという行動に移っていないのが明らかだ。

 ブランド総合研究所の田中章雄社長は、今回の調査結果を踏まえた上でGoToキャンペーンの問題点について以下のように指摘する。

「消費者は『自分が感染したら/周りを感染させてしまったら』という不安、観光客を受け入れる側は『遠くから訪れる人は怖い』という心理状態になっている。ただ、消費者も近場での日帰り旅行くらいは出かけたいし、受け入れ側も遠方の人でなければそこまで不安は大きくないはず。本来、感染拡大をさせずに経済を回したいなら、自県や隣県での域内観光を促す取り組みを行うべきだった。

 しかし、今回のGoToキャンペーンは、旅行代理店などが用意するツアーを除き、日帰り旅行は対象になっていない。消費者のニーズにも受け入れ側の不安にも応えられていないのだから、利用が進まないのは当然だろう」

 感染が収まったら行きたい都道府県は人それぞれにあるだろうが、この機会に地元や近隣県でお得に旅行をすれば、これまで知らなかった魅力を発見する機会にもなるはず。GoToキャンペーン以前から多くの自治体が近隣の域内旅行に補助を出す取り組みを行っていたように、消費者と受け入れ側の心理を理解し、地域活性化につなげる施策こそGoToキャンペーンには必要だったのではないだろうか。

(ダイヤモンド・セレクト編集部 林 恭子)