ビジネス・営業の世界で、厄介なのがクレーム対応だ。クレーマーというと、イメージしやすいのは声を荒らげたりするお客様だが、「サイレントクレーマー」といわれる物静かで一見物腰柔らかなお客様への対応はおざなりになりがちで、営業として命取りになり得る。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)
クレーム処理は厄介
通常のクレーム処理の鉄則
ビジネス・営業において、最も気をつけなくてはならないのが“クレーム”だ。これはリアルでもテレワークでも変わらない。
クレーム処理の重要性を理解していても、なかなか積極的に取り組む人はいない。
その理由は、クレーム処理がうまく行っても実績や営業成績にならないからだ。だからといって後回しにして、対応を間違えれば自分の立場を揺るがす大問題に発展する。それで会社を失うことだってある。とにかくクレームほど厄介なものはないのだ。
お客様からクレームがあったとする。すぐに現場に駆けつけて話を聞く。もしくはZoomなどで話を聞くこともあるだろう。
クレーム対応は何よりも優先したほうがいい。それは間違いないのだが、初動でミスを犯し、対応を間違えると問題をこじらせてしまうことになってしまう。これには十分な注意が必要だ。
例えば、お客様が頭に血がのぼっているときに、「イヤイヤ、それはお客様が間違っていますよ。契約時に説明したじゃないですか」と反論したらどうだろう?まさに火に油。お客様はますますエキサイトする。その後、どんなにひどい状態になるか、想像に難くないだろう。
時にたった一言で大問題に発展する、なんてこともよく起こる。クレーム時、お客様は冷静ではない。話を聞きながら「ちょっとそれは理不尽なのでは」と思うことだってある。そんなときにこちらも一緒になって頭に血をのぼらせてしまったらどうだろう?