まず必要なことは日本が米、中両国との間断なき戦略対話を行うことだ。

 中国は米国との厳しい対立の継続を予想し日本との関係改善を望んでおり、例えば、香港問題では日本が静かに問題提起をし、中国の行動を変えさせていく余地はある。

 第二に米中に共通の戦略的利益を見出すことだ。

 米ソ冷戦時代に西側諸国と中国との関係が比較的、良好だったのはなぜか。

 中国はソ連と国境紛争などを巡り関係が悪化しており、対ソ包囲網を作るうえで中国の存在は西側を利した。

 だが現在では米中間には香港、台湾、南シナ海を含め共通の戦略的利益が存在しないことが対立激化の一つの理由だ。

 その中で「北朝鮮非核化」は米中だけでなく日・韓・ロの共通利益であり、北朝鮮非核化問題を前進させることが米中対立を緩和させることにもなる。

戦略的なパートナーシップづくりで
「中国を変える」ことをめざす

 第三に、パートナーシップづくりだ。

 日本はASEAN諸国、豪、印、EU諸国などとの戦略的パートナーシップを強化すべきとともに、東アジアサミットやASEANプラス3などの中国を巻き込んだ地域協力を活性化するべきだろう。

 もっともトランプ再選となれば米国は東アジアでの地域協力にも消極的な姿勢をとると思われる。

 このように日本の戦略はやはり「中国を変える」ことを主目的にすることだ。

 中国の成長率は、経済の成熟化や高齢化で今後、低下していかざるを得ず、国際社会との相互依存関係が希薄となっていけば、ますます低下していくことは自明だ。

 そこに中国を変えていく鍵があるような気がする。

 そのことを考えても、関係国との間断なき協議とパートナーシップづくりを続けることが重要だ。

拉致問題は包括的アプローチで
北朝鮮非核化と「一括解決」

 安倍首相が辞任会見で、解決できず「痛恨の極み」と述べた北朝鮮拉致問題や、「断腸の思い」と語ったロシアとの平和条約については改めて考え方を整理する必要がある。

 拉致問題については、安倍首相が初期の段階から強い想いを持ち続けた政治家の一人だし、政権のプライオリティとして取り組んできたのは間違いがない。