前首相の安倍晋三(65)が退陣を表明してからわずか半月余。安倍を支え続けてきた大番頭の前官房長官、菅義偉(71)が一気に権力の階段を駆け上がった。9月16日午後に召集された第202臨時国会で菅は第99代の内閣総理大臣に選出された。長い自民党の歴史の中でも初めての「無派閥首相」の誕生だ。
そのサクセスストーリーのシナリオライターは自民党幹事長の二階俊博(81)。さらに二階にとって“助さん、角さん”の役割を担う国対委員長の森山〓(もりやま・ひろし、〓はしめすへんに谷)(75)、幹事長代理の林幹雄(73)が菅との連絡役を果たした。発足した菅新政権でもこの3人は全て再任された。つまり菅を頂点にした“カルテット体制”が今後も政権を維持する中枢を形成することになる。
菅も二階の続投については別格の対応を示した。菅は14日の総裁選2日前にいち早く要請した。