「幸せな持ち家」に大きく影響する、結婚・出産タイミングの現実持ち家のターニングポイントの1つである結婚が早い地域と遅い地域では、持ち家の取得時期と家庭の安定に、少なからぬ影響が出る(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 ファミリー世帯が持ち家を持とうと思うきっかけは、以下の3つと相場が決まっている。

 1位 子どもや家族のため……70.4%
 2位 部屋数と広さを増やしたいから……53.4%
 3位 家賃の支払いがもったいないから……47.6%

 これは新築分譲戸建を内覧したことがある方500人にアンケートした結果だ。持ち家のきっかけは、1位と2位を組み合わせて「子ども部屋が欲しい」ということだ。それを実現するには、賃貸でファミリー向け物件は非常に少ないし、家賃は高い。そこで、持ち家を検討し始める。つまり、「結婚→出産→持ち家取得」という一連の流れはほぼ決まっているということだ。

持ち家取得のきっかけ、
「結婚」の時期を決めるもの

 前述のターニングポイントの1つである結婚だが、最近は婚期が遅くなる傾向がある。その最大の理由は、大学進学率になる。社会に出るタイミングが遅くなるほど、婚期も遅れるからだ。

 ちなみに、大学進学率のトップ3の都道府県は、京都府、東京都、兵庫県になる。首都圏・近畿圏・愛知県・広島県は教育熱心なエリアで、総じてこれが高い。全国の大学進学率はすでに50%を超えている。そして卒業後は就職し、都市部で働く人が多い。

 その結果、平均初婚年齢は東京都が最も遅くなる。2位以下も神奈川県、埼玉県、千葉県と首都圏は総じて結婚が遅い。首都圏以外に、京都府、大阪府、福岡県などの大都市もランキング上位に顔を出すことになる。

 逆に結婚が早いのは、宮崎県、沖縄県、岡山県と続く。宮崎は男女とも20代で結婚している唯一の県になる。東京と宮崎の差は男性で2.6年、女性で1.7年に及ぶ。婚期は30歳前後に集中するので、この差はたった2~3年とはいえ、大きい。