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新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』(加藤紀子著)にまとめた。
「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」で、実際に何をどうしてあげればいいのかまで丁寧に落とし込んでいる。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

「ごほうび」はいい? 悪い?

 ごほうびに関しては、いまも見解が分かれています。ロチェスター大学の心理学者、エドワード・デシ教授は、大学生の2つのグループに実験を行ないました。この実験では、ひとつのグループにはパズルが解けるたびに報酬を約束し、もうひとつのグループにはなにも約束しませんでした。

 どちらのグループも、もともとはパズルを楽しんでいたのですが、この条件を聞いてからは、報酬を約束されたグループは、報酬がないときにはパズルにあまり触れなくなってしまいました。「ごほうび」を与えることで、脳がパズルを「ごほうびがもらえる労役」と認識して、モチベーションが下がってしまったのです。

 また、ハーバード大学の経済学者、ローランド・フライヤー教授は、「テストでいい点を取ればごほうびをあげる」という場合と、「本を1冊読むたびにごほうびをあげる」といった場合、どちらが子どもの学力が上がるか、大規模な実験を行いました。

 その結果、成績がよくなったのは、本を読んだらごほうびをもらえると言われた子どもたちでした。

 ごほうびは、パズルが解けるとかテストでいい点を取るといった「結果」ではなく、本を読むなどの「努力」に対して与えれば効果がある、といえそうです。

 では、子どもにうまく「ごほうび」をあげるにはどうすればよいでしょうか?

【その1】結果ではなく努力にあげる

 たとえば「音読が3回終わったら」「縄跳びの練習を15分がんばったら」といった努力に対してごほうびをあげます。

 逆に、「100点取ったら」「塾のクラスがアップしたら」「ピアノを間違えずに弾けたら」といった結果はごほうびの対象にはしません。

【その2】あげる理由を明確にする

 結果へのごほうびだと、その結果が出ないかぎりなかなかもらえません。でも、努力へのごほうびは、やるべきことをちゃんとやれば確実にもらえます。先々の結果ではなく、いまこの努力をしたらごほうびをあげると明確にすることで、道筋がわかりやすくなり、やる気がアップしてがんばれます。